油汚れが多いのでドライクリーニングします。

皮革製品の水洗いには

洗浄液のイオン調整、色止め、加脂、加保湿

そして乾燥時の温度、時間など工夫が必要で

一般衣料の様にボタン押せばハイ出来上がり

みたいな訳にはいきません。

最近は皮革製品の専用洗剤も優れていて

あまり知識経験がないクリーニング店さんでも

革の水洗いをはじめてるところもあります。

皮から革へタンナーさんの鞣し工程では

水を使ってるので水洗いする事が理想

と言う方がおられましたが、

革から製品になる工程では水を使いません。

革は1デシ(10㎝X10㎝)の価格で取引されるので

出来た革は四方に伸ばして面積を稼ぎます。

なので水に遭遇すると元のサイズに戻ろうとします。

これから先もっと技術が進めば

理想的な水洗いが確立されるでしょうが、

今はまだまだ課題が多いのが現実です。

*

水洗いが出来ない訳でもなく

まったく水洗いしない訳ではありません。

むしろ知識経験が豊かゆえに

お勧めしないだけなのです。

お客様の要望があれば

どこよりも高品質な洗いを行なってます。

*

皮革製品の水洗いをお勧めしない理由

皮革製品のケアには3つの方法があります。

1.ふき取り 2.ドライクリーニング 3.水洗い

それぞれ説明するまでもなく

1.ふき取りは汚れ部分を水分または溶剤でふき取り

2.ドライクリーニングは水を含まない溶剤で漬け洗い

3.水洗いは水による漬け洗いですね。

この3パターンを料理にあてはめてみるとよくわかります。

皆さん

”焼き鳥”好きですか?

”唐揚げ”好きですか?

”とり雑炊”好きですか?

どれもおいしい鳥料理ですね。

味わい方がそれぞれ違います。

”焼き鳥”は直接火にかけ自らの脂で旨味を閉じ込めてます。

”唐揚げ”は別の脂でもって旨味を閉じ込めます。

油分が多いので食べ過ぎると胸焼けします。

”鳥雑炊”は旨味を炊き出して他の食材をとり風味にします。

鳥本来より他の食材の脇役ですね。

この”旨味”が皮革製品の栄養・保湿に当たります。

さてこれを皮革製品の3パターンに当てはめてみると

”焼き鳥”=”ふき取り”

旨味と言うのはアミノ酸で皮革製品の場合、

このアミノ酸は保湿成分となり革に潤いを与えます。

革がしっとりするのは保湿成分のおかげです。

”ふき取り”は組織内部の油(脂)と保湿を閉じ込めたまま

表面の汚れだけを落とします。革本来の風合いを保ちます。

”唐揚げ”=”ドライクリーニング”

ドライ溶剤にはイオン性がないので本来なら保湿成分は維持しますが、

洗浄溶剤にソープが入ってると保湿成分も溶け出します。

油汚れと共に内部の油(脂)分も溶け出すためにかさつきが生じます。

ドライクリーニングの場合、

洗浄中もしくは洗浄後に加脂することでこれを補っています。

”鳥雑炊”=”水洗い”

水につけて洗うため”鳥雑炊”の旨味を炊き出すように

アミノ酸(保湿成分)が洗浄水に溶けだしてしまいます。

また界面活性剤により脂分も溶け出してしまいます。

料理の場合はこの出汁を味わうのですが、

皮革洗浄の場合、

汚れと保湿成分の溶け出した洗浄水は廃液となります。

保湿成分と脂分が抜けた分だけ乾くと縮みが生じます

水洗いの場合保湿成分と加脂剤を配合することでこれを補ってます。

クリーニング店で革を水洗いしている所は

保湿成分を配合した革専用の洗剤を使って洗っています。

*

これで当店が水洗いをお勧めしない理由が

わかってもらえたと思います。

水洗いすると革本来の風合いの元となる成分が抜け落ち、

補っても元の風合いは取り戻せません。

革の風合いを一番に考えるなら

革本来の成分を維持することが大切です。

普段の着用で消失した保湿分栄養分は

普段のお手入れで補って

ケアしてあげてください、

革は繊維構造と違うため通常の汚れであれば

一般衣料ほど汚れは内部まで滲み込みません。

油(脂)汚れがひどい場合は内部までしみこんでますので、

ドライクリーニングを行います。

汗じみや不可抗力の液体などがひどい場合は

やむなく水洗いをしますが

それ以外は

ふき取りケアを行います。

当店のふき取りケア内容は

●肌の触れる部分や汚れの部分を

洗浄液でふき取ります。

●かさつきのある場合、

保湿成分や栄養成分を補充します。

●保湿成分や栄養分が蒸発しないように

素材別に油分・ワックス等で保護します。

●プレス作業でしわを伸ばします。

アイロンの熱で内部の脂分が浮き出てきて

自然な艶がよみがえります。

(ただし顔料仕上の場合この限りではありません。)

大事な皮革製品のケアは

知識経験豊富な専門店にお出しください。

見極めはやはり口コミかな。

それと技術者が革が好きかどうか。

好きかどうかどうやって見分けるの?

よくネットでビフォーアフターのブログを見かけますが、

ビフォーアフターなんてうまくいった物しかアップしてない!

それよりレザーに対する思いがブログから伝わってくるかどうか。

まあ手っ取り早いのは

当店だと間違いない(笑笑)。

もちろん色補修・修理何でもご相談ください。

まだまだ暑い日が続きますが

冬に備えて今のうちにレザーケアをしておきましょう。

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