操作ミスで消えてしまった2021年12月27日投稿分の再投稿です。

ブランドメーカーから東京の某有名高級クリーニング店様経由で

修復可能かのご相談がありました。

某高級バッグで

ショルダーのチェーンに革を巻き込んでいるものが定番ですが

これはチェーンオンリーの貴重なバッグです。

症状はと言いますと、

横において置いた傘の柄がベトベトしていて

それが付いたとの事です。

バッグに傘の柄のベトベトが付いた

「樹脂が鞄に滲み込み、除去不可と思われます。

対応としては隠ぺいするしか御座いません。

その際に隠ぺいする事でブランド価値がなくなると思いますが

メーカーからの依頼で有ればブランド価値がどうなるのかは

こちらでは判断がつきません。」

という事で回答させていただきました。

予想通りメーカー側は修復を断念したそうですが、

その後、お客様から直接ご相談があった中で

見た事のあるバッグが!

まさにメーカー様より打診されたバッグでした。

直接電話でお話させてもらったわけですが、

こちらの見解は伝わっており、

ブランドとしての価値は諦めるので綺麗に塗り直してほしいとの事でした。

承諾の書面に一筆頂きお受けいたしました。

お客様がそこまで覚悟を決めてらっしゃるのなら、

最終的には再塗装が出来るので

先ずは取れるかどうか除去作業を試みてみよう。

傘の柄も樹脂が擦れ付いたわけではないので

おそらく深度は浅いと思われます。

塗装が顔料ではなく染料の様なので

塗装に樹脂はおそらく含まれていないだろうな。

ならば付着が表面的であればベトベトの樹脂だけ溶かせば除去は可能かもしれない。

うまくいけば塗装へのダメージが最小限ですむかもしれない。

という事でリスクの少ない有機溶剤からテスト。

一番目の溶剤は全く変化なし。

二番目の溶剤は、

あっ少し変化が・・。

塗装も少し落ちたけど・・。

この溶剤で行けそう。

なんか希望が見えてきた。

後はいかに塗装を落とさずに樹脂を落とすかのテクニック。

ここは内緒。

樹脂の痕跡は少し残りましたが持ち歩くには違和感のないレベルです。

バッグシミ除去

勿論ブランドとしての価値も維持できると思います。

塗装はしなくても良いのではないかな。

この状態なら価値も維持できるのでベストポジション。

私どもの判断で

お手入れしての納品にしました。

勿論お客様には喜んでいただけましたよ。

すべてがここまで出来るわけではありませんが

お客様がブランド価値を諦めるという覚悟を決断してくださった事で

こちらも思い切った作業が出来ました。

大事なお品、

よみがえってよかったですね。

末永くご愛用してあげてくださいませ。

 

 

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