今回の内容は洗濯中の移染です。

洗濯したら柄の黒い部分から色が出たとの事ですが、

黒の柄部分は滲んでないし

よく聞いてみると

ほかの物も一緒に洗ったようなので

おそらく

他の物から色が移ったと思われます。

作業から言うと同一物からの色移りより

他からの色移りの方が染料が違う可能性があるので

処理しやすいのですが

実際はとても厄介です。

もう少し分析しますと

この柄は顔料プリントのようなので

色が滲む可能性は少ないと思われます。

スポット的に付いているので、

溶出したというより

洗濯中に物理的に触れて付いたと思われます。

家庭で色柄物を洗う時は

ネットに入れて洗う事でこのような事故はかなり防げます。

作業中に柄から色を出さないように

出来る限り生地に負担をかけないように

熱を使わずに刺激を最小限に

薬品で洗い流すように

何度も何度も繰り返します。

その作業を一箇所ずつ行います。

見た目では単純で大変さは伝わってきませんが

かなり忍耐のいる作業です。

 

それでも色の部分はうっすらと地色が抜けましたので

最後に色修正を施します。

お客様の要望により

時には掟破りの大胆な手法を使いますが

基本的には生地を守る事を最優先に

しみ抜きや色移りの処理を行っております。

今回は奮闘記の様になりました。

実作業は技術的なことになるので

色移りが取れていく様子を

断片的にダイジェストでご覧ください。

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