今回の内容は洗濯中の移染です。
洗濯したら柄の黒い部分から色が出たとの事ですが、
黒の柄部分は滲んでないし
よく聞いてみると
ほかの物も一緒に洗ったようなので
おそらく
他の物から色が移ったと思われます。
作業から言うと同一物からの色移りより
他からの色移りの方が染料が違う可能性があるので
処理しやすいのですが
実際はとても厄介です。
もう少し分析しますと
この柄は顔料プリントのようなので
色が滲む可能性は少ないと思われます。
スポット的に付いているので、
溶出したというより
洗濯中に物理的に触れて付いたと思われます。
家庭で色柄物を洗う時は
ネットに入れて洗う事でこのような事故はかなり防げます。
作業中に柄から色を出さないように
出来る限り生地に負担をかけないように
熱を使わずに刺激を最小限に
薬品で洗い流すように
何度も何度も繰り返します。
その作業を一箇所ずつ行います。
見た目では単純で大変さは伝わってきませんが
かなり忍耐のいる作業です。
それでも色の部分はうっすらと地色が抜けましたので
最後に色修正を施します。
*
お客様の要望により
時には掟破りの大胆な手法を使いますが
基本的には生地を守る事を最優先に
しみ抜きや色移りの処理を行っております。
今回は奮闘記の様になりました。
実作業は技術的なことになるので
色移りが取れていく様子を
断片的にダイジェストでご覧ください。
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