今回のご紹介はバッグに服地の色移りです。
白いバッグなので特に目立ちますね。
服地の染色堅牢度(染料の定着度)に問題があり
着用時に擦れ付いたものと思われます。
擦れ付いたとは言えバッグは顔料塗装なので
顔料に含まれる樹脂が擦れ付いた染料を取り込んで
いわゆる顔料に融合した状態になってるわけです。
なので
付いた色を取り除こうとすると
元の顔料までも取ることになる訳で、
シボ(革表面のシワ)が消失したり剥げたりのリスクを伴います。
よって
上から顔料で隠ぺいするしかないのですが
白色は往生際が悪く、
分厚く塗らないと隠れきらないのです。
そうなるとシボもなくなり、
手触りとか艶とか風合いが変わってしまいます。
そのレベルの仕事ならどこでも出来ます。
ひと手間ふた手間
ちょっとシークレットな薬で
樹脂は溶かさず染料を流す。
動画でお見せしましょう。
これで7割ほど落ちました。
後はいかに薄く隠ぺいするか、
ここはお見せできません。
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白は言わばキャンバスですから、
何色でも受け付けます。
花嫁さんが純白の衣装を着るのは
「あなたの色に染まります」の誓いの表現
(今では死語ですが・・。)
バッグはいくら従順でも染まってもらっては困ります。
コーディネートの時はくれぐれも
白い布を湿らせて色移りしそうな着衣を軽くこすり、
白い布に色が付かないか
染色堅牢度のチェックをしてみてください。