背広の襟が黄ばんでいるので
ご自身で漂白したら色が滲んできました。
よくあるパターンの駆け込みです。
赤く滲んでます。
テレビを見て試みたそうですが
皆さんよく注意して下さい。
テレビでは色柄物はあまり実演してないと思います。
なぜかと言うと
今回のように安易に試みて
色が出るトラブルが起こりやすいからです。
本来黄ばみだけを取りたいわけで
白物ならとにかく白くすればよいのですが
色柄物は色柄を残さないといけないのです。
黄ばみは汚れというより
生地自体の黄変ですから
漂白しなければ取れないわけですが
漂白を効かすためには一般的には
PHを7以上につまりアルカリ性にして
熱をかけなければなりません。
ところが
PHが9を超え、温度が40℃を超えると
黄変だけでなく色柄にまでも作用します。
つまり色が出たり脱色したりするわけです。
皆さんがご家庭で
PHの調整や温度管理まで出来ますか?
ですからテレビでは影響の少ない
白物で実演してます。
それにも一つ付け加えておきますと
ウール(動物性繊維タンパク質)はアルカリで痛みます。
髪の毛を石鹸で洗うと痛むでしょ。
オールラウンドな手法などありません。
色柄物はやはりプロに任せてください。
*
さて今回は先ず滲み出た赤色を処理し、
その後黄ばみ処理ですが
何とも強力な黄ばみで
やっぱり赤く滲んできます。
熱をかけない、酸性での漂白法も試みましたが
ダメです。
漂白は諦めるか、
という事で色修正。
地色より濃いので色修正してもくすみは残りますが
黄ばみよりはましかな。
**
PHが大体7~9位の見分け方を簡単にお教えしましょう。
試験紙があれば簡単ですが無い時、
赤ワインをティッシュに付けて
はかりたい液を垂らします。
さっと青くなればPHは9を超えてます(強アルカリ)。
じんわりと青くなれば大体PHは7~9
変化なければPHは7
逆にもっと赤くなればPH7以下(酸性)。
あくまでも目安です。
*
しみ抜きの事なら
中塚クリーニング「Royal MIYABI」