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  3. 高級バッグに樹脂のシミが付いた。

とある高級バッグで

ショルダーのチェーンに革を巻き込んでいるものをよく見ますが

これはチェーンのみの貴重なものです。

傘の持ち手の部分が劣化してベトベトし(おそらく加水分解

どうやらその持ち手部分がバッグに触れていたようで

滲みついた部分をさわってみると

ゴツゴツと硬くなっています。

バッグにシミビフォー

バッグは染料で染めてるようで

滲み込んだのはおそらく樹脂でしょうから

まず取り除くことは無理です。

隠ぺいするには顔料を使うのですが

染料で色を付けてますから

染料では隠ぺいできないし

顔料を使うと当然風合いが変わり、

ブランドとしての価値がなくなってしまいます。
(「所有権と著作権について」参照)

ですがお気に入りのバッグなので

このままでは持って歩けないとの事で

やむなく風合いとブランドを犠牲にすることを承諾いただき

修復させて頂く事になりました。

ここまで承諾いただければ思い切った事が出来ますので

いきなり隠蔽ではなく

先ずは除去する事を試みます。


ここからはちょっと専門的な話

通常衣類のしみ抜きは

溶剤処理⇒水性処理⇒その他処理⇒濯ぎの順番ですが

革の場合(当店では)

革は基本的に濯ぎが出来ませんので

水性処理⇒溶剤処理⇒色補正⇒表面保護の順番で行います。

厳密には

溶剤処理は

アルコール処理⇒非水溶性溶剤

の順番となります

これは革の表面保護に油脂や樹脂を使ってることが多く

いきなり溶剤で処理をすると

表面保護が取れてしまうからです。

色補正は

染料補正⇒顔料補正

の順になります。

いきなり顔料補正をすると樹脂膜を張り

風合いが変わってしまいます。

溶剤処理まで行ってダメな場合、

または取れたが塗装がはげた場合、

色補正作業になります。

今回は当然のことながら水性処理では全く変化ないので

溶剤処理に移るわけですが

意外にもある時点で変化が現れましたので

その作業を繰り返し行いました。


結果から申し上げますと少し荒れてはおりますが

付いた樹脂の部分がかなり地色近くになり

その周りがはげて薄くなった状態です。

これなら薄くなった部分を染料で補正すれば目立たなくなるな。

おそらく風合いも変わらずブランドとしても維持できると思います。

バッグにシミアフター

これ以上がお望みであれば

風合いと価値を犠牲になりますが顔料で隠ぺいする事が出来ます。

すべてがこの様にうまくいくわけではありませんが

最終的なリスクを覚悟頂く事で

こちらも手段に選択肢が出来ます。

お気に入りの品、思い入れのある品

ご相談の際は是非「覚悟」もご持参いただくようお願い申し上げます。

 

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