2022年1月31日投稿分リカバーです

 

オミクロン株がご乱心! すごい勢いですね。

「新種株 ワクチン接種で 尾身苦労」 なんちゃって。

もう峠を越したのかな感染者数が減少気味ですね。

保育園等低年齢層からの感染が増えてるみたいなので、

お子ちゃまには気負付けてあげてくださいね。

また、消毒されたおしぼりや抗菌剤入りのウェットティッシュなど重宝ですが

今回のお題にあるように

使用後に革ジャンのポケットに入れることはやめてくださいね。

と言う訳で今回のお題は

「革ジャンのポケットに抗菌ウェットティッシュを入れたらシミになった」

です。

おしぼりをポケットに入れる人は少ないでしょうが

ウェットティッシュは手軽なので

つい使用後捨てるところが無かったら

ポケットに入れてしまう可能性はありますね。

まあ、そういう経緯で今回の事件となりました。

山羊革の柔らかい革ジャンでおそらく染料で色付けされてます。

山羊革の革ジャン

ポケットに抗菌剤入りのウェットティッシュを入れて忘れてしまったようで

気が付いたら表にまで滲み出して黒ずんだ状態です。

ポケットにウェットティッシュのしみ

内側から滲み出して黒く変色してますので

散らすことは出来ませんし、抗菌剤と反応したのか少し硬くなってます。

対処としましては

(A案)
同じ革素材で左右にパッチを当ててポケット様にする。

ポケット様のパッチを黒ずみの部分を覆うようにあてて隠す。

この場合はポケットで隠れてしまいますが

左右同じように作らなければいけない事と

同じような色や柔らかさの革を探さないといけない。

いっそのことまったく違う物を付けて

デザイン的に変えてしまう。

(B案)
隠ぺいする。

隠ぺいについては

この革ジャンは染料で染めているので

基本的には染料で色修正するのですが

染料は下地色を反映するので下地より濃いシミの場合は隠ぺいは出来ない。

隠ぺいを可能にするには顔料しかないのですが

顔料では一辺倒で無機質な表面になり、

なかなか使用感と言った風合いを再現する事は難しい。

いろいろ検討した結果

お客様の出来るだけシルエットを変えたくないという要望を尊重して

B案でいくことにしました。

もしうまくいかなくてもA案に切り替える事が出来ます。

細かいノウハウは秘密でもあり省略しますが

結果から申し上げますと顔料と染料を駆使します。

顔料の上から染料をかけた様な単純な工程ではありません。

革用の染料は使い過ぎると

ブロンズ現象または銀ばると言って

黄色ぽくまたは赤っぽく反射してくるのでひと工夫もふた工夫も要ります。

完全とはいかないまでも、

自然な感じの仕上がりになったのではないでしょうか。

黒ずみの処理後

一つだけリスクを申し上げておきますと、

顔料を使っているので突然の雨とかで濡れた時に

修正を加えた部分だけが濡れないので浮き上がって見える事があります。

山羊革の修正後

突然の雨はしょうがないですが、

濡れる可能性のある時や場所には

着用を控えてくださいませ。

まあ今後ウェットティッシュを

ポケットに入れない様にして頂くのが良いかと・・。

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