いきなりエントロピーのお話なんて

洗濯屋が何いってんのとお思いでしょうが

実は関係があるんです。

と言うか

世の中のもの全て関係があるんです。

詳しくは私は専門家じゃないのでググって調べてくださいね。

決してツッコまないで下さい。

簡単に言うと

宇宙は膨張しているので私達の世界でも

物理的には外に膨らもうとしているんです。

つまり形あるものは膨らんでバラバラになろうとしているんです。

そして一旦バラバラになったものをもとに戻す事は

ほぼ不可能なのです。

こういうチカラといいましょうか現象のことを

エントロピーが増大していると言います。

エントロピーの増大を止めることは出来ませんが

遅らせることは出来ます。

しかし増大を遅らせるためには他でそれ以上のエントロピーの増大が必要となるのです。

例えば

夏にクーラーをかけると涼しく冷えますが

その裏側でそれ以上の放熱を必要とします。

結果的に周囲の環境はヒートアイランドとなってしまいます。

宇宙が膨張している限り

世の中は破壊の方向へ向かっているということです。

で、

何が言いたいかというと

クリーニングの話に戻します。

革のついたお洋服をお持ち込みになり、

お客様曰く、

「(他店で)普通に洗って問題なかったので
普通に洗って下さい」

とおっしゃるのです。

少しでもお安くお願いしたいということなのでしょうね。

いやいや

前回大丈夫な分リスクは高くなってるでしょ。

と言うことなのです。

ここでお客様にエントロピーのお話をするつもりはないですが、

地震の予知を例に上げて説明します。

2年以内に地震が起こる確率が90%あり

2年以内に地震が来なかったとします。

3年後以降に地震が来る確率は

90%より高いでしょ。

革の劣化もお手入れで遅らせることが出来ても

いつかは果ててしまいます。

クリーニングというリスキーな刺激は

回数を重ねるごとに危険度が増していきます。

前回大丈夫だったことは

今回大丈夫な証明ではなく

危険度が増した証明になるのです。

ここまで説明させていただければ

大概のお客様は理解を示してくれます。

クリーニングという仕事は直訳すれば洗濯屋です。

お洋服の寿命を伸ばすために

つまりはエントロピーの増大をいかに抑えるかを考えると

それぞれの素材にあった処理方法で

リスクを最小限に抑える必要があります。

そのためには

「洗う」をひとくくりワンパターンには出来ないのです。

もちろん日本人は綺麗的民族ですから

衛生的にもビジュアル的にも

洗いを否定するつもりはありません

総合的なバランスですね。

 

エントロピーは世の中全てに影響を与えていると言いましたが、

エントロピーの影響を受けないものがあります。

それは「情報」

人間は情報を受け継ぐことで文化文明を築き進化してきました。

「情報」は劣化しません。

ただし「情報」は捏造できますから

しっかりと見極める「情報」のバランスが必要となってきます。

我々とお客様

情報」のバランスを取りながら

クオリティーの高いしっかりとした知恵知識常識を積み重ね

やがてはそれがお互いの信用から信頼へと

良い関係につながって行きます。

 

 

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