去年しまい込む前に
しみ抜きでクリーニング店に出して
綺麗に取れたそうですが
今年出してみたら変色していたそうです。
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しまい込む前は普通だったことから
おそらくしみ抜き時の薬品の
濯ぎが不十分だったと考えられます。
通常洗剤成分が残留すると
アルカリ焼けを起こし
黄ばみあるいは褐色に変色しますが
このケースは脱色していることから
漂白剤が残留していた可能性があります。
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漂白剤の残留は生地を劣化させているので
下手に触ると破れる恐れがあります。
お客様には推測ではありますが
原因と耐久性がなくなっている事をを説明し
色修正のみの作業といたしました。
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この生地は先染めと言って
糸の段階で染めて織ってますので
全体が均一ではなく柄の様な色となってます。
通常の色修正では単一になってしまうので
フラクタルな縦ラインを描きながらの
色修正となります。
色修正は単なる色合わせや筆さばきだけでなく
絵心と言った感性も必要になってきますね。
修正範囲が広いのと
生地の荒れた部分が少々ムラになりましたが
着用には差し支えないレベルに復元できました。
装いのお手伝い 「Royal MIYABI」